うちの猫は、なかなかの寂しがりやです。
普段はとても大人しく、私が同じ部屋にいると静かにくつろいでいます。お気に入りのクッションの上で丸くなったり、窓の外をぼんやり眺めたりしていて、「今日はずいぶん落ち着いているな」と思うことも少なくありません。
ところが、その部屋から人がいなくなると話は別です。私が席を立って別の部屋へ移動した途端、「ニャー、ニャー」と鳴き始めます。まるで「どこへ行ったの?」と呼びかけているかのようです。少しの用事で部屋を離れただけなのに、戻るまで鳴き続けていることもあります。
最初の頃は、「そんなに鳴かなくても大丈夫だよ」と思っていましたが、今ではすっかり慣れてしまいました。むしろ鳴き声が聞こえると、「ちゃんと私の存在を気にしてくれているんだな」と感じることがあります。もちろん、忙しいときや手が離せないときには少し面倒に思うこともあります。それでも、誰もいないことに気付いて鳴いてしまう姿を想像すると、なんだか微笑ましく感じてしまいます。
猫というと気ままで独立心が強いイメージがありますが、うちの猫を見ていると必ずしもそうではないようです。人の気配があるだけで安心し、姿が見えなくなると不安になる。その様子はどこか人間の子どもにも似ています。
面倒なところと可愛いところは、案外表裏一体なのかもしれません。もし何でも一人で平気な猫だったら、それはそれで楽なのでしょうが、今のように後を追うように鳴いてくれる姿は見られなかったでしょう。そう考えると、この少し手のかかる性格も含めて、うちの猫らしい魅力なのだと思います。今日もまた、部屋を出るたびに鳴き声が聞こえてきますが、その声に少しだけ嬉しい気持ちになっている自分がいます。
