ギターの生産国事情もずいぶん変わったものだと思う

最近、エレキギター関連の情報を見ていて感じるのは、昔とはギターの生産国の勢力図が大きく変わったということです。

私がギターを始めた頃、海外製ギターといえばアメリカ製が憧れの存在でした。そして手頃な価格帯のものは日本製や韓国製が中心だったように記憶しています。

当時は「いつかはアメリカ製のギターを手に入れたい」と考えていた人も多かったのではないでしょうか。実際、楽器店でもアメリカ製のギターは別格の存在感がありました。

ところが最近のギター市場を見ていると、以前にはあまり見かけなかった国名を目にする機会が増えました。

インドネシア製、中国製、ベトナム製などです。

最初は正直なところ驚きました。昔の感覚だと、こうした国々で作られたギターはほとんど見かけなかったからです。しかし調べてみると、現在では多くの有名メーカーがアジア各国に生産拠点を持ち、世界中へギターを供給しているようです。

さらに驚いたのは、その品質に対する評価です。

かつては「安いけれど品質はそれなり」というイメージを持たれがちだった海外生産モデルですが、最近のレビューや試奏動画を見ると、かなり高い評価を受けているものが少なくありません。

もちろん個体差はあるのでしょうが、製造技術や品質管理が向上した結果、価格以上の完成度を持つギターも多くなっているようです。

一方で興味深いのは、日本製ギターの立ち位置です。

私が若い頃、日本製は「高品質でありながら比較的手が届きやすい」という印象がありました。海外のギタリストが日本製ギターを高く評価しているという話を聞くことはありましたが、それでも国内では比較的現実的な価格で購入できる存在だったと思います。

ところが現在では、日本製モデルが各メーカーの上位機種として扱われることも珍しくありません。

楽器店のサイトを見ていても、「Made in Japan」の文字が品質の証として前面に出され、価格も決して安くありません。むしろ高級機種として位置付けられているケースが増えています。

おそらく人件費や製造コストの上昇、そして日本製の品質に対する国際的な評価の高まりなど、さまざまな要因があるのでしょう。

その結果として、かつて日本製が担っていた中価格帯の役割を、現在ではインドネシアや中国などのアジア諸国の工場が引き継いでいるようにも見えます。

こうして市場全体を眺めてみると、ギターという楽器も世界的な産業の変化と無関係ではないことがよく分かります。

昔は「アメリカ製か、日本製か」という感覚で語られることが多かったように思いますが、今では生産国だけで品質を判断する時代ではなくなったのかもしれません。

実際、動画やレビューを見ていると、インドネシア製のギターを絶賛しているプロもいますし、中国製モデルを愛用しているプレイヤーもいます。逆に高価なギターだから必ず自分に合うとも限りません。

長いブランクを経て再びギターの世界を眺めていると、機材そのものの進化だけでなく、こうした生産体制や市場構造の変化にも驚かされます。

若い頃の私は、生産国によってある程度の序列が決まっているような感覚を持っていました。しかし現在は、世界中の工場で高品質なギターが作られ、それぞれに魅力がある時代になったようです。

久しぶりに楽器店のサイトを眺めながら、「こんな国でもギターを作っているのか」と驚き、そして「なかなか良い音だな」と感心する。そんな発見もまた、ギターの世界へ戻ってきた楽しみの一つになっています。